日常のささいなやり取りの中。
例えば、いつまでも片付けをしない子どもに「そろそろやったら?」と声をかけたとき。
「今やろうと思ってたのに!いちいち口出ししないでよ!」
その生意気な態度と言葉に、導火線に火がついたようにカチンときて、つい「なによその態度は!」と刺々しく強い言葉をぶつけてしまう。
言い負かして静かになったリビングで、ふと我に返ります。
「またやってしまった・・・」
「もっと冷静に伝えられたはずなのに・・・」
ダメだとわかっているのに、どうしても感情を抑えきれなかった自分への苛立ちと、モヤモヤするような後悔だけが胸に残ります。
このような瞬間、あなたの境界はどこにありましたか?
親にとって子どもは、あまりにも近くて大切な存在です。
だからこそ無意識に自分の延長のように感じてしまい、思い通りにならないと、まるで自分の領域が脅かされたかのように強く反発してしまうこともあるのです。
子どもの生意気な言葉は「ここは自分の領域だ!」と間合いを分けようとする自立のサインであることもあります。
これを世の中では反抗期と定義しているように思います。
その急な間合いの変化に、親が子どもの成長への理解がまだ追いつけれず、境界が摩擦を起こしている状態なのかもしれません。
この後悔は、あなたがダメな親だから感じるのではありません。
境界の理論で言うなら、近すぎた親子の間合いが、新しくアップデートされようとしている過渡期の痛みです。
相手の言葉に反射して怒る時、あなたは相手の感情の渦に巻き込まれ、境界が曖昧になっているのかもしれません。だからこそ、感情の波に飲み込まれる前に、一度自分を取り戻すためにも間合いの調整が必要です。
【言葉が出る前に、物理的に離れてみる】
カチンときた瞬間「今は落ち着いて話せない!」とだけ伝えて、キッチンに行き水を一杯飲む。相手の感情の渦から、自分の身体をそっと外に逃がすような行動を取るのもひとつの方法です。
【それは相手の課題と手放してみる】
子どもの不機嫌さや反抗は、子ども自身の領域の出来事。
「私が今すぐ正さなきゃ!」という責任感を、心の中で手放し「はい」と言って見守る。
【自分の領域からだけの言葉を心で唱えてみる】
「そんな言い方をするな!」と相手の領域に踏み込むのではなく「そんな風に言われると、私は悲しい」と、自分の感情だけを相手に伝えてみる。
今のあなたにはどの方法がしっくり来ますか?
頑張ってやってみるのではなく、これならできそう!や続けられそうな方法が、あなたらしい間合いの整え方になるのです。
抑えられない感情の裏には、それだけ深く相手を大切に思ってきた歴史があります。反射してしまう自分を責めず、少しずつ間合いを調整していくことで、新しい家族の風通しが生まれるのです。