理念と軸

私たちの軸

グラフトーン研究所は、「人と人とのあいだに、どのような関係がありうるのか」を探求の中心に据えた、思考と実践の場です。
関係性の中で何が生まれ、何が損なわれるのか。私たちは、その繊細な輪郭に目を凝らし続けています。

この世界で誰かと共にあるということは、ときに、自分を見失うことでもあります。
気づけば、相手に合わせすぎたり、自分を守ることに必死になったり、本当の声を奥にしまいこんでいたりする。関係とは、ただ温かく心地よいものではなく、 揺らぎやすれ違いを含んだもの でもあります。

それでもなお、 自分を閉じずに、他者と出会うことはできるのか
この問いは、特定の誰かに向けられたものではなく、まず私たち自身に向けられた問いです。
そしてそれは、理想の答えを求めるためのものではなく、 日々の関係の中で立ち止まり、見直し、調整し続けていく姿勢 を意味しています。

だからこそ私たちは、関係の中で生じる違和感やためらい、言葉にしきれない感情に、丁寧に目を向けます。そこにこそ、関係の質を変えていくための兆しが宿っていると信じているからです。

PRINCIPLE 01
境界をめぐる思想

関係の中で「私」が保たれ「あなた」と出会うためには、 見えない線引き=境界 がどう在るかが問われます。境界とは、引き離すための壁ではなく、 その人がその人として立ち上がるための条件

相手を尊重するふりをして、自分を押し殺していないか。
自由を語りながら、誰かを操作していないか。
その微細な在り方の差異に、丁寧に気づき続けること。
これが、私たちが「境界をめぐる思想」として提唱している基盤です。

 


PRINCIPLE 02
関係に宿る実践

グラフトーン研究所が考える実践とは、 誰かの役に立つこと何かを解決すること に限定されません。それよりもむしろ「今、この関係で自分がどのように在るのか」を見つめ直す営みそのものです。

ひとつの言葉をどう届けるか。どこまで立ち入るか。どこで黙るか。
そうした選択の積み重ねが、関係性の質を変え、やがては社会の空気をも変えていく・・・。
小さなふるまいに、社会を変える力がある と信じています。

 


PRINCIPLE 03
思想とふるまいの往復

思想は、頭の中だけにあるものではありません。
ことばにならない感覚 や、 その場に身を置いて初めて見えてくること
現場で揺れ、迷い、考え直す過程を通して、思想そのものが磨かれていくと私たちは考えます。

そのため、理念や問いは固定されたものではなく、 実践の中でこそ確かめられ、更新されるべきもの です。
思想からふるまいへ、ふるまいから思想へ。
その往復運動を、私たちは丁寧に繰り返していきます。

 

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