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半分で関わる
人間関係が少し苦しくなったとき、私たちはつい「私の愛情が足りないのだろうか?」「もっと頑張らなければならない・・・」と、自分の気持ちや努力の量で問題を解決しようとしてしまいます。
けれど、本当の問題は量の不足ではなく、関わっている場所にあるのかもしれません。
ここで、半分で関わるという視点を置いてみます。
これは決して、相手への気持ちを半分に減らすという冷たい話ではありません。
ここまでは私、ここからはあなたと、いつの間にか複雑に混ざり合ってしまった糸を、丁寧にほどいて分け直す作業なのです。
目の前の人が不機嫌なとき「なんとかしなければ・・・」と焦るのは、本来相手が引き受けるべき感情という荷物を、あなたが代わりに背負おうとしているからかもしれません。
逆に、相手の顔色をうかがって言いたいことを飲み込んでしまうのは、あなた自身の心を、相手の手に預けてしまっている状態と言えます。
半分で関わるとは、相手の領域の荷物を、相手の手元へとそっとお返しすることです。そして同時に、あなたがあなた自身の力で立つための場所を、しっかりと守ることでもあります。
もし、相手の領域をお返しする際に、相手に突き放された・・・、見捨てられた・・・と感じさせてしまうのだとしたら、それはまだ間合いが整いきれていない証です。
相手を尊重する気持ちがどこか欠け、整え方が強引になってしまっているとき、境界は冷たい壁になってしまいます。
自分の半分を取り戻し、相手の半分を尊重できたとき、私たちは初めて自由になれます。
相手の反応に怯えることなく言葉を選べるようになり、自分の歩幅で速度を選べるようになり、今はただ待つという選択すらできるようになるのです。
半分で関わることは、関係を薄めることではありません。
お互いが無理なく背負える重さへと戻し、長く、穏やかに関わり続けるための深い知恵なのです。


